Let's Study
Vol.68 通信100号記念によせて
2024.06.13
Let's study
国立成育医療研究センター病院長よりセンターのご紹介とともに、通信100号に向けたメッセージをいただきましたので掲載します。
いつもファミリーハウス、およびご支援いただいております方々、大変ありがとうございます。また患児さんご家族の皆様におかれましては、国立成育医療研究センターに治療をお任せいただき大変ありがとうございます。当センターは国の高度専門医療研究センターの一つとして2001年に設立されました。開院以来、「病院と研究所が一体となり、健全な次世代を育成するための医療と研究を推進する」を理念に、小児周産期の高度医療を提供しております。2024年4月からは「女性の健康センター」が併設され、プレコンセプション・妊娠と薬情報・産後ケアなどを包括的に臨床研究・情報発信してゆく予定です。
開院以来、患児さんは全国から成育医療研究センターに入院加療(治療)されており、遠方からの患児さんとそのご家族にとってファミリーハウスの存在は、「第二のわが家」のようにくつろぎと癒しの場になっております。私は臓器移植・腹部臓器が専門の外科医で、センターで難しい肝切除、臓器移植を担当しています。特に肝臓移植の症例数は多く、日本の小児肝移植の約70%を担当しています。このため全国から患者さんがいらっしゃいますので、特にファミリーハウスにはお世話になっています。臓器移植のような高技能手術が必要な患児さんは少なからず存在し、今この瞬間も大変苦悩されていると思います。彼らの悲しみや喜びに寄り添い、センターでしか救命できないこども達に必要十分な医療を提供できるよう、今後も医療者として持てる力を集約し謙虚に小児周産期・女性医療に邁進してゆきたいと思います。
国立成育医療研究センター
病院長 笠原群生